こんにちは、慧仁治療院の堀之内です。
これまで睡眠、ストレス、姿勢など、食いしばりの様々な原因をお伝えしてきましたが、今日は意外と見落とされがちな「栄養」の影響についてお話しします。実は、普段の食事内容が食いしばりの症状を左右している可能性があるのです。
栄養不足と食いしばりの知られざる関係
「食事と食いしばりに関係があるの?」と驚かれる方も多いでしょう。しかし、最新の研究により、特定の栄養素の不足が筋肉の緊張や神経系の興奮を引き起こし、食いしばりを悪化させることが明らかになっています。
現代人の食生活は、加工食品や外食に頼りがちで、必要な栄養素が不足している方が非常に多いのが現状です。この栄養不足こそが、食いしばりの隠れた原因となっている可能性があります。
⚠️ 食いしばりに関係する不足しがちな栄養素
1. マグネシウム:筋肉の弛緩に必要
役割: 筋肉の収縮と弛緩をコントロールする重要なミネラル 不足すると: 筋肉が常に緊張状態になり、リラックスできなくなる 現代人の不足率: 約70%の人が推奨量を下回っている
マグネシウム不足は「隠れた国民病」とも呼ばれており、食いしばりだけでなく、肩こり、頭痛、不眠などの症状とも深く関連しています。
2. ビタミンB群:神経系の正常化
役割: 神経伝達物質の生成と自律神経の調整 不足すると: 神経が過敏になり、ストレス反応が強くなる 特に重要: ビタミンB1(疲労回復)、B6(神経伝達)、B12(神経保護)
ビタミンB群は水溶性ビタミンのため、体内に蓄積されにくく、毎日の補給が必要です。
3. カルシウム:筋収縮の調整
役割: 筋肉の収縮と弛緩のバランス調整 不足すると: 筋肉の異常収縮や痙攣が起こりやすくなる 注意点: マグネシウムとのバランスが重要(理想比率 Ca:Mg = 2:1)
カルシウムだけを摂取してもマグネシウムが不足していると、むしろ筋肉の緊張を高める場合があります。
4. トリプトファン:セロトニン生成
役割: 幸せホルモン「セロトニン」の原料となるアミノ酸 不足すると: 精神的不安定、睡眠の質低下、ストレス耐性の低下 効果: リラックス効果と良質な睡眠をサポート
セロトニンは夜になると睡眠ホルモン「メラトニン」に変換され、質の良い睡眠を促進します。
🍽️ 食いしばり改善におすすめの食材
マグネシウムを豊富に含む食材
- 海藻類:昆布、わかめ、のり
- ナッツ類:アーモンド、カシューナッツ、胡麻
- 緑黄色野菜:ほうれん草、小松菜
- 全粒穀物:玄米、オートミール
1日の摂取目安: 男性370mg、女性290mg
ビタミンB群を豊富に含む食材
- 玄米:ビタミンB1が白米の4倍
- 豚肉:特にヒレ肉やロース
- レバー:鶏・豚・牛すべて優秀
- 魚類:サバ、イワシ、サンマ
- 卵:完全栄養食品として優秀
調理のコツ: 水溶性ビタミンのため、茹でる時は茹で汁も活用しましょう
カルシウムを豊富に含む食材
- 小魚:イワシ、シシャモ、桜エビ
- 乳製品:牛乳、ヨーグルト、チーズ
- 緑黄色野菜:小松菜、チンゲン菜
- 豆腐・納豆:植物性カルシウムとして優秀
吸収促進のコツ: ビタミンDと一緒に摂ると吸収率がアップします
トリプトファンを豊富に含む食材
- バナナ:手軽に摂取できる優秀食材
- 乳製品:牛乳、ヨーグルト、チーズ
- 大豆製品:納豆、豆腐、味噌
- 魚類:カツオ、マグロ、サケ
- 肉類:鶏むね肉、牛肉、豚肉
摂取のタイミング: 夕食時に摂ると、夜間のセロトニン→メラトニン変換に効果的
❌ 食いしばりを悪化させる避けたい食材
1. 夜間のカフェイン
影響: 交感神経を刺激し、睡眠の質を低下させる 注意する食品: コーヒー、紅茶、緑茶、チョコレート、栄養ドリンク 対策: 午後3時以降はカフェイン摂取を控える
2. アルコールの過剰摂取
影響: 一時的にはリラックス効果があるが、睡眠の後半で覚醒しやすくなる 問題点: 微小覚醒の増加、深い睡眠の阻害 適量: 日本酒1合、ビール中瓶1本程度まで
3. 精製糖質の取りすぎ
影響: 血糖値の急激な変動により自律神経が乱れる 注意する食品: 白砂糖、白米、白パン、お菓子類 対策: 玄米や全粒粉製品に切り替える
効果的な食事の摂り方
1. バランスの良い食事を心がける
基本の比率:
- 炭水化物(複合糖質):50-60%
- タンパク質:15-20%
- 脂質(良質な油):20-30%
2. 食事のタイミングを意識する
朝食: タンパク質とビタミンB群を意識的に摂取 昼食: バランス良く、腹八分目 夕食: トリプトファンとマグネシウムを重視、3時間前には終了
3. よく噛んで食べる
皮肉なことに、食事の時の「正しい咀嚼」は顎の筋肉をほぐし、食いしばり改善に効果的です。一口30回を目標に、ゆっくりと噛みましょう。
栄養改善の実践プラン
第1週:現状把握
- 食事日記をつけて現在の栄養バランスをチェック
- 不足している栄養素を特定
第2-3週:段階的改善
- 白米を玄米に変更
- 間食をナッツ類に変更
- 夜間のカフェイン摂取をストップ
第4週以降:習慣化
- バランスの取れた食事が自然にできるように
- サプリメントでの補完も検討
サプリメントの活用法
食事だけでは不足しがちな栄養素は、サプリメントでの補完も有効です:
おすすめのサプリメント:
- マグネシウム:就寝前に摂取すると筋弛緩効果が高まる
- ビタミンBコンプレックス:朝食後に摂取
- トリプトファン:夕食時に摂取
注意点: 薬を服用中の方は、医師や薬剤師に相談してから摂取しましょう
栄養改善の効果を実感するまでの期間
1-2週間目:
- 疲労感の軽減
- 睡眠の質がわずかに向上
1ヶ月目:
- 筋肉の緊張が和らぐ
- ストレス耐性の向上を実感
2-3ヶ月目:
- 朝の顎の違和感が軽減
- 食いしばりの頻度が明らかに減少
6ヶ月目:
- 全身の健康状態が向上
- 根本的な体質改善を実感
まとめ
食いしばり改善において、栄養は「縁の下の力持ち」的な存在です。劇的な変化は期待できませんが、他の改善法と組み合わせることで、より確実で持続的な効果を得ることができます。
「薬食同源」という言葉があるように、日々の食事こそが最高の薬になります。マウスピースや治療と並行して、内側からの根本的な改善にも取り組んでみてください。
今日から早速、冷蔵庫や食卓を見直して、食いしばり改善に役立つ食材を取り入れてみましょう。小さな変化の積み重ねが、大きな改善につながります🌱
次回は、これまでの総まとめとして、食いしばり改善の統合的アプローチについてお伝えします。お楽しみに!
慧仁治療院では、栄養指導を含めた総合的な食いしばり改善プログラムを提供しています。一人では食事改善が続かない方や、より専門的なアドバイスが必要な方は、お気軽にご相談ください。

