『鍼灸を始めたけれど、これから回復をどう進めれば?』回復過程で大切な3つの土台

「鍼灸を始めて1ヶ月が経った。少しずつ動きが戻ってきている」 「医療機関の経過観察も順調と言われた」 「ただ、ここから先どこまで戻るのか、見通しが知りたい」 「家でできるセルフケアは、何を続ければいいのか?」 「食生活は、何を意識するのが大切なのか?」

顔面神経麻痺の回復期に入り、ある程度の改善を実感されてきた方から、こうしたお声をよくいただきます。

第1部では「迷われている方への選択肢」をお伝えしました。第2部では、実際に回復に取り組み始めた方が、どのような土台を整えていけば良いかについて、当院で日々お伝えしている内容をまとめてご紹介します。

回復過程は、「施術を受ける」だけでは完結しません。ご自宅での過ごし方・食事内容・心の持ち方の3つが揃ってこそ、お身体は本来の状態に近づいていきやすい、と一般的に言われています(個人差があります)。

※本記事は医療行為を行うものではなく、医療機関での治療と並行する選択肢としての鍼灸についてのご紹介です。診断・治療は必ず医療機関でお受けください。


回復期に大切な『3つの土台』

当院では、回復期にお越しの方に、以下の3つの土台を一緒に整えていくことをお伝えしています。

土台1:施術での神経回復のサポート 土台2:食生活・栄養面の見直し 土台3:ご自宅でのセルフケアの習慣化

この3つは、それぞれ独立しているのではなく、互いに支え合う関係にあります。施術だけ、食事だけ、セルフケアだけでは、片手落ちになりやすい。3つを並行して整えていくことで、お身体全体の回復ルートが整いやすくなる、と当院では考えています。


土台1:施術での神経回復のサポート

回復期の施術では、初期と少し違ったアプローチが必要になってきます。

初期(発症〜2週間程度):お身体全体の炎症を抑えることをサポート(ただしこの時期は医療機関での治療が最優先です)

回復期(2週間〜3ヶ月):神経の通り道の緊張をほぐし、循環を整える

後期回復期(3ヶ月以降):お顔の表情筋の動きをサポートしながら、再発予防を意識する

当院では、お一人おひとりのお顔の状態を毎回評価し、その時期に合った施術内容を調整していきます。たとえば、目の閉じづらさが残っている方には目の周りのアプローチを重点的に、口の動きに違和感が残る方には口の周りと首の連動を意識した施術を、というふうにです。

通院ペースの目安

回復期の通院ペースは、お身体の状態によって異なりますが、当院での一般的な目安は以下の通りです(個人差があります)。

発症1ヶ月目:週1回〜10日に1回(集中的な土台作りの時期) 発症2ヶ月目:10日に1回〜2週間に1回(整いを定着させる時期) 発症3ヶ月目:月2回程度(再発予防を意識する時期) 3ヶ月以降:月1〜2回(維持・メンテナンス期)

これはあくまで一般的な目安で、お身体の経過によって都度調整していきます。


土台2:食生活・栄養面の見直し

神経の回復には、その材料となる栄養素が必要だと一般的に言われています。当院では、ONP分子栄養学の知見をもとに、回復期に意識していただきたい栄養素についてお話ししています。

神経回復に関わる主な栄養素

タンパク質 お身体の細胞・神経・ホルモンの材料です。意外と不足しがちで、特に朝食を炭水化物だけで済ませる方は要注意です。1食ごとに手のひら1枚分のタンパク質を意識することをおすすめしています。

意識して取りたい食材例:卵・お豆腐・お魚・赤身肉・大豆製品

ビタミンB群 神経の働きと深く関わる栄養素群です。豚肉・レバー・うなぎ・玄米・卵などに多く含まれると言われています。

ビタミンD 神経の働きと免疫のバランスに関わると言われています。鮭・しらす・きのこ類などに多く含まれます。

良質な油(オメガ3系脂肪酸) 脳と神経の主要な構成要素の一つです。青魚(さば・いわし・さんま)・アマニ油・えごま油などが代表的です。

水分 意外に見落とされがちですが、お身体の循環には十分な水分が必要です。アルコールやカフェインは利尿作用があるため、それらの飲み物を取る方はプラスで水分を意識的に取ることをおすすめしています。

注意したい食事の傾向

逆に、回復期にちょっと注意したい食事の傾向もあります(個人差があります)。

  • 炭水化物の比率が高すぎる:お米・パン・麺類が多くなりがちな食事
  • 揚げ物が多い:油の質が分からない外食の揚げ物の頻度が高い
  • 甘いものが多い:糖質の取りすぎは、お身体の細胞の状態に影響すると言われています
  • アルコールの量が多い・水分が少ない:お身体の循環に影響する可能性があります

完璧にする必要はありませんが、「ちょっと意識する」だけでも、半年後のお身体の状態が変わってくる、というお声をいただきます。


土台3:ご自宅でのセルフケアの習慣化

施術を週1回受けても、残りの6日はご自宅での過ごし方が回復を左右します。当院でお伝えしている、ご自宅でできるセルフケアをご紹介します。

セルフケア1:口腔内マッサージ

清潔な手(必要に応じて使い捨ての手袋)で、お口の中から麻痺側の頬の内側を優しくマッサージします。

やり方:

  1. 手をよく洗う
  2. 麻痺側のお口の中に指を入れる
  3. 頬の内側を、痛くない範囲で優しく円を描くように動かす
  4. 1日1〜2回、各1〜2分程度

これは、お口の中側からお顔の筋肉と神経の通り道を緩めることをサポートする、というアプローチです。

セルフケア2:表情筋の意識的な動かし方

麻痺側の表情筋を、鏡を見ながら意識的に動かす練習です。

やり方の例:

  • 眉を上げる、寄せる
  • 目をぎゅっと閉じる、ぱっちり開ける
  • 頬を膨らませる
  • 口角を上げる
  • 「あ・い・う・え・お」とゆっくり口を動かす

1日数分、無理のない範囲で。回復していない筋肉を無理に動かそうとして痛みが出る場合は、無理せずお休みしてください。

セルフケア3:目の保護

目が完全に閉じない時期は、目の乾燥対策がとても大切です。

  • 屋外では風や紫外線から目を守るためのメガネ・サングラスを
  • 寝る時は目元を保護するアイマスクを(医師の指示に従ってください)
  • 室内では加湿器の使用も有効と言われています
セルフケア4:お顔を冷やさない・むやみに温めない

お顔の急激な温度変化は、回復期のお身体には負担になることがあります。

  • 冷たい風に長時間あたらない
  • 急激にお風呂で熱くしない(ぬるめのお湯がおすすめ)
  • ドライヤーの熱風を麻痺側に強く当てない
セルフケア5:十分な睡眠と休息

神経の回復には、お身体が休まる時間が不可欠だと一般的に言われています。夜は早めに就寝し、最低6〜7時間の睡眠を意識してください。


『3つの土台』を続けていく上での心構え

1. 焦らない 顔面神経麻痺の回復には3ヶ月〜半年と言われています。1日1日の変化は微細で、見えにくいものです。焦って結果を急がず、じっくり取り組む姿勢が大切です。

2. 完璧を求めない 3つの土台のすべてを100%できる方は、ほとんどいらっしゃいません。**「今日は施術に集中、明日は食事を意識、明後日はセルフケア」**くらいの気持ちで、できることから少しずつ取り入れていけば十分です。

3. 経過を記録する スマートフォンで週に1回、お顔の写真を同じ角度で撮っていただくことをおすすめしています。日々の変化は感じにくいですが、1ヶ月前と比べると驚くほど変わっていることに気づかれる方が多いです。

当院について

慧仁治療院は、東京都足立区入谷にある鍼灸・整体院です。

施術歴17年、延べ10万1千人以上のご相談実績をもとに、認定美容鍼灸師上級マスター・YNSA正規許可施術者・ONP分子栄養学認定資格を保有する男性施術者が、お一人おひとりに丁寧にご対応させていただいております。

足立区入谷・西新井・大師前・北千住・竹ノ塚・舎人・舎人公園・江北・日暮里・草加エリアの30代・40代・50代の女性を中心に、美容鍼・小顔ケア・肩こり・頭痛・食いしばり・自律神経のお悩み・睡眠のご相談を承っております。

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