この一文で自分の脚を見た方は、おそらく組んでいたと思います。そして、こう思ったはずです。
「無意識だった」
もうひとつ、確認していただきたいことがあります。上になっているのは、どちらの脚ですか。思い出してみてください。昨日も、先週も、たぶん去年も、同じ側だったのではないでしょうか。
「気分転換に組み替えることもある」という方でも、最初に組む側は、ほぼ決まっています。
知っているのに、足を組むのをやめられない
足を組むのが体によくないことは、たいていの方がご存じです。
一度は直そうとしたことがあるはずです。意識して両足を床につける。姿勢を正す。三分後、気づけばまた組んでいる。
在宅勤務なら、なおさらです。誰も見ていません。指摘もされません。床に座って作業する日は、脚を崩したり、片側にあぐらをかいたりしています。
そして「くせだから」で片づけます。
Q. なぜ、足を組んだほうが「楽」に感じるのですか?
ここが、この問題のいちばん誤解されている部分です。
楽だから組むのではありません。組まないと落ち着かない状態になっているから、組みたくなるのです。
お尻の奥、骨盤の横から後ろにかけて、深い層の筋肉があります。座った姿勢を支えている場所です。表面のマッサージではほとんど届きません。
この深い層が硬くなると、まっすぐ座っている状態が、かえって窮屈に感じられます。脚を組んで骨盤を傾けたほうが、その窮屈さが一時的に解除される。だから体が勝手にそうします。
つまり、足を組むのは原因ではなく、すでに起きていることへの反応である場合があります。意志で我慢しても続かないのは、当然です。苦しさの理由が残ったまま、対処だけを取り上げようとしているからです。
Q. 足を組むと、体のどこまで影響が及ぶのですか?
骨盤が傾けば、その上に乗っているものはすべて調整に入ります。体は以下のような「補正のリレー」を行います。
- 骨盤が傾く:左右の高さが変わります。
- 背骨がそれを補う:まっすぐ立つために、上でカーブを作ります。
- 肩の高さが変わる:補正の続きです。首が片側に引かれます。
- あごの位置がずれる:頭は重いので、傾いた土台の上で水平を保とうとします。首の上にあるため、あごが影響を受けます。
そして、あごの位置がわずかにずれれば、噛み合わせ方も変わります。
当院で多くの方の状態を確認していくなかで、気づいたことがあります。あごの緊張や食いしばりを気にして来られる方に、片側だけ足を組む習慣がある割合が、非常に高いのです。
顎と骨盤は、体のかなり離れた場所にあります。しかし、間はつながっています。
Q. 腰は痛くありません。それでも関係がありますか?
むしろ、腰が痛くない方のほうが気づきにくいと考えています。
痛みは、体が出す最後の合図です。合図が出ていないということは、まだ体が補正で対応できているということです。その補正は、どこかが余分に働くことで成り立っています。痛みがないだけで、負担がないわけではありません。
実際、腰の症状がまったくない方でも、お尻の深い層を確認すると、驚くほど痛みが出ることがあります。ご本人が「そこが硬いこと自体を知らなかった」というケースは珍しくありません。
そして、腰以外の場所。首の片側、肩の張り、あごの緊張、のほうに先に出ていることがあります。
自分で確認できる「骨盤の偏り」セルフチェック4選
いくつかあります。今、その場でできます。
- 1. 組んでいる側を確認する:上になるのは、いつも同じ側ですか。
- 2. 反対で組んでみる:明らかにやりにくい、落ち着かない、長く保てない。この差が大きいほど、偏りが固定されています。
- 3. 両足を床につけて、まっすぐ座る:一分間、そのままでいられますか。途中でどちらかに体重が寄りませんか。
- 4. お尻の横を押してみる:骨盤の横、ズボンのポケットのあたりを、握りこぶしで押してみてください。左右で痛みが違いませんか。
やりにくい側、痛い側は、多くの場合、首やあごで気になっている側とつながっています。
Q. では、足を組むのをやめればよいのですか?
やめる努力だけでは、おそらく続きません。
順番があります。まず、組みたくなる理由 お尻の深い層の硬さをゆるめる。そのうえで、座り方を変える。
逆にすると、我慢の期間が続き、そのうち元に戻ります。これまで何度か試して失敗した経験があるなら、順番の問題だった可能性があります。
そのうえで、日常でできることもあります。
- 座り続けない:三十分から一時間に一度、立ち上がるだけで違います。組み替えるより、いったん立つほうが効果的です。
- 床に座る時間を見直す:床での作業は、脚を崩す姿勢になりがちです。可能なら椅子を使うほうが、偏りは出にくくなります。
- 組んでいることに気づく:直せなくて構いません。気づく回数が増えるだけで、無意識だったものが意識の範囲に入ってきます。
「まだ痛くない」今が、いちばん動かしやすい段階です
体は、続いている状態を「標準」として覚えていきます。
傾いた骨盤、片側だけ働く筋肉、それに合わせて曲がった背骨。この状態が何年も続けば、体はそれを異常ではなく「普通」として扱うようになります。そうなってから戻すのと、今向き合うのとでは、必要な時間が変わります。
「まだ痛くないから」と思っているその状態が、いちばん戻しやすい段階です。
急いでください、という意味ではありません。ただ、先延ばしにするほど不利になるという構造だけは、知っておいていただきたいのです。
当院が確認するポイント
- 1. 骨盤まわりの深い層と左右差:お尻の奥、股関節の周辺まで確認します。表面をほぐすだけでは届かない層です。
- 2. 上への影響:肩の高さ、首の傾き、あごの位置。骨盤の傾きがどこまで及んでいるかを見ます。
- 3. 噛み方の癖:どちら側で強く噛んでいるかを確認します。骨盤の偏りと一致していることがよくあります。
この三つは影響し合っているため、どれか一つだけでは戻ってしまいます。当院では全身のつながりから根本原因を整えます。
よくあるご質問(FAQ)
Q. 強い痛みやしびれがある場合は?
A. まず医療機関を受診してください。当院は医療機関ではなく、診断はできません。
Q. 整形外科や歯科に通いながらでも受けられますか?
A. はい。治療を続けながらご相談ください。当院から治療内容の変更をおすすめすることはありません。
Q. 鍼は痛いですか?
A. 「ほとんど分からない」「少し響く感じ」と表現される方が多いです。お尻の深い層は響きを感じやすい部位ですので、施術中に確認しながら調整します。感じ方には個人差があります。
Q. どのくらいの間隔で通いますか?
A. 状態によって異なります。戻りやすい時期は間隔を詰め、落ち着いてきたら空けていきます。初回に丁寧にご説明します。
当院について
慧仁治療院は、東京都足立区入谷にある鍼灸・整体院です。
施術歴20年、延べ10万1千人以上のご相談実績をもとに、認定美容鍼灸師上級マスター・YNSA正規許可施術者・ONP分子栄養学認定資格を保有する男性施術者が、お一人おひとりに丁寧にご対応させていただいております。
足立区入谷・西新井・大師前・北千住・竹ノ塚・舎人・舎人公園・江北・日暮里・草加エリアの30代・40代・50代の女性を中心に、美容鍼・小顔ケア・肩こり・頭痛・食いしばり・自律神経のお悩み・睡眠のご相談を承っております。

