椅子から立ち上がろうとして、首が固まっているのに気づきます。左だけ。振り向こうとすると、途中で引っかかる。
いつからこうなのか、思い出せません。
その場で首を回します。ゴリ、と音がする。少し楽になった気がして、そのまま帰宅します。翌朝また同じで、翌日の夕方もまた同じです。
マッサージには行きました。整体にも行きました。首と肩を丁寧にほぐしてもらって、その日は軽くなる。三日、もって一週間。
そして「デスクワークだから仕方ない」で片づけて、また同じ一日が始まります。
その前に、ひとつ試していただきたい「20秒のセルフチェック」
いま、20秒でできます。
片方の手のひらを、上に向けてください。反対の手の親指で、前腕の内側。肘と手首のちょうど中間あたりを、少し強めに押してみてください。
いかがでしたか。
- 押した瞬間に、思わず声が出ませんでしたか
- 「ここ、こんなに痛いんだ」と驚きませんでしたか
- 左右で、痛みの強さが違いませんでしたか
- そして、痛みの強かった側は、首の回りにくい側と同じではありませんでしたか。
首をどれだけ揉んでも戻る方の多くが、ここを一度も触ったことがありません。
Q. 手首や腕と、首は関係があるのですか?
A. 筋肉は、途中で切れていません。
指を動かす筋肉は、手のひらではなく前腕から始まっています。前腕の筋肉は肘を越えて上腕につながり、上腕は肩へ、肩は肩甲骨へ、肩甲骨は首へとつながっています。
体は、部位ごとに独立していません。一本の連なりです。
その連なりのどこか一箇所が引っ張られ続ければ、離れた場所に緊張が出ます。首だけを切り離してほぐしても、引っ張っている側が変わらなければ、また同じところに戻ります。
三日でもとに戻るのは、施術が足りなかったからではありません。引っ張り続けている場所が、そのままだからです。
Q. なぜ「ノートパソコン」だと首がこるのですか?
デスクトップと違い、ノートパソコンは画面とキーボードが一体になっています。
画面を見やすい高さに合わせると、手首は不自然な角度になります。手首を打ちやすい位置に合わせると、画面が下がり、首が前に出ます。どちらかを立てれば、どちらかが崩れます。
多くの方は、無意識に首のほうを犠牲にしています。画面を覗き込むように、あごが前に出る姿勢です。
そしてもうひとつ、見落とされているのが手首の角度です。手首をわずかに反らせたまま、一日に何時間もキーを打っています。力を入れているつもりはありません。しかし、その角度を保つこと自体が、前腕の筋肉を働かせ続けています。
「疲れた」と感じないから、休ませようと思いません。ここが厄介な点です。肩や首は疲れを訴えますが、前腕はほとんど何も言わないまま、一日中働き続けています。
Q. 台に乗せて高さを調整しています。それでも足りませんか?
台で画面の高さを上げているなら、首の負担についてはかなり良い状態です。何もしていない方より、はるかに違います。
ただ、そのぶん手首の角度は強くなっていることがあります。画面が上がれば、キーボードも一緒に上がるからです。
さらに、キーの打ち方にも癖があります。小指側に力が入る打ち方をしている方は、前腕の外側に負担が集中します。この外側のラインは、そのまま肩の外側から首の後ろへつながっています。
ご自身の打ち方は、意識して見たことがないはずです。何年も続けてきた動きなので、それが癖だという自覚がありません。
Q. どこをケアすればよいのですか?(4つの対策)
首より先に、手首と前腕です。一日の途中で、次のことを試してみてください。
- 手首を回す:両方向に、ゆっくり10回ずつ。力を入れる必要はありません。
- 指を反らせる:手のひらを前に向けて、反対の手で指をゆっくり手前に倒します。前腕の内側が伸びる感覚があれば合っています。
- 前腕を押す:先ほどのチェックで痛かった場所を、痛気持ちいい程度に押します。強く押しすぎないでください。
- キーボードを分ける:可能であれば、外付けのキーボードを使うと、画面の高さと手首の角度を別々に決められます。ノートパソコンの構造的な制約から抜けられる、もっとも確実な方法です。
これらで首が完全に変わるわけではありません。ただ、引っ張り続けている側に手を入れないまま首だけをケアしても、同じところに戻ります。
※なお、手首に強い痛みやしびれがある場合は、まず医療機関を受診してください。
「デスクワークだから仕方ない」で失うもの
体は、続いている状態を「標準」として覚えていきます。
前に出たあご、反らせたままの手首、片側に偏った緊張。これが何年も続けば、体はそれを異常ではなく「普通」として扱うようになります。そうなってから戻すのと、今向き合うのとでは、必要な時間が変わります。
そして首の緊張は、首だけの問題では終わりません。あごを動かす筋肉、目の周りの筋肉、頭部の筋肉は、いずれも首とつながっています。首の緊張が長く続いた方に、食いしばりや、夕方の頭の重さ、目の奥の疲れが同時に出ていることは珍しくありません。
「首がこるだけ」と思っている段階が、いちばん動かしやすい段階です。
当院が確認するポイント
- 1. 引っ張っている側の特定:首・肩・肩甲骨だけでなく、腕から手首まで確認します。どこが起点になっているかは人によって違います。
- 2. 左右差:片側だけ症状が出ている場合、使い方の癖が固定されています。痛む側だけでなく、反対側も見ます。
- 3. 全身の土台:上半身だけを整えても、その下が傾いていれば戻ります。骨盤まで含めて確認します。
この三つは影響し合っているため、どれか一つだけでは戻ってしまいます。当院では全身のつながりから根本的な原因を見つけ出します。
よくあるご質問(FAQ)
Q. しびれがある場合はどうすればよいですか?
A. まず医療機関を受診してください。当院は医療機関ではなく、診断はできません。検査で異常が見つからなかった場合に、別の角度からお手伝いできることがあります。
Q. 整形外科に通いながらでも受けられますか?
A. はい。治療を続けながらご相談ください。当院から治療内容の変更をおすすめすることはありません。
Q. 鍼は痛いですか?
A. 「ほとんど分からない」「少し響く感じ」と表現される方が多いです。感じ方には個人差がありますので、施術中に確認しながら調整します。
Q. どのくらいの間隔で通いますか?
A. 状態によって異なります。戻りやすい時期は間隔を詰め、落ち着いてきたら空けていきます。初回に丁寧にご説明します。
当院について
慧仁治療院は、東京都足立区入谷にある鍼灸・整体院です。
施術歴20年、延べ10万1千人以上のご相談実績をもとに、認定美容鍼灸師上級マスター・YNSA正規許可施術者・ONP分子栄養学認定資格を保有する男性施術者が、お一人おひとりに丁寧にご対応させていただいております。
足立区入谷・西新井・大師前・北千住・竹ノ塚・舎人・舎人公園・江北・日暮里・草加エリアの30代・40代・50代の女性を中心に、美容鍼・小顔ケア・肩こり・頭痛・食いしばり・自律神経のお悩み・睡眠のご相談を承っております。

