ここまで、三つの記事を書いてきました。
- 第1部では、「なぜ伝わらないのだろう」と考え続けること。
- 第2部では、「もう言わない」と決めたあとにも残るもの。
- 第3部では、仕事を続けるなら、自分の回復まで予定に入れておくこと。
ここまで読んで、「分かる」と思っていただけた部分があったかもしれません。
でも、最後に残るのは、きっとこの疑問です。
「明日になれば、また同じ一日が始まる」
朝起きる。家のことをする。仕事へ行く。人と関わる。帰宅する。夕食。片づけ。翌日の準備。
環境そのものが、急に変わるわけではありません。当院が、職場や人間関係を変えることもできません。
だから今回、最後にお伝えしたいのは、環境を変えることではなく、自分が「戻れる条件」をつくることです。
気持ちが落ち着いても、身体は同じ日に変わらないことがあります
「もう気にしていない」「考えるのをやめた」「必要なことだけ話すようにした」
それでも、朝の疲れが残る。あごに力が入っている。首肩が重い。眠りが浅い。休日に何もしたくない。そんなことがあります。
これは、おかしなことではありません。
気持ちの整理と、身体の状態は同じ速度で変わるとは限らないからです。ただし、すべてを「ストレスのせい」と考えることもしません。
仕事姿勢、睡眠、食事、運動、眼精疲労、噛みしめ、体調。いくつもの条件が重なっています。だから、「ストレスですね」で終わらせない。そこが重要だと考えています。
「消耗している」とは、どういうことでしょうか
忙しい時期になると、朝食を簡単に済ませる。昼食が遅くなる。水分を取るのを忘れる。睡眠時間が短くなる。帰宅してからも仕事の連絡を見る。休日も予定を詰め込む。こうした変化が重なることがあります。
つまり、「ストレスで特定の栄養素が必ず大量に失われる」と単純に考えるのではなく、負荷が増える時期ほど、回復するための条件も崩れやすいと考えます。
同じ食事、同じ睡眠、同じ生活のつもりでも、仕事量や季節、体調が変われば、身体側の条件も変わります。だから当院では、「何が足りないですか」だけではなく、最近の生活がどう変わったかを確認します。
分子栄養学を使うときも、まず「生活」を見る
分子栄養学というと、鉄、亜鉛、ビタミンB群、マグネシウムなど、栄養素の名前に目が行きがちです。
でも、食事の時間が毎日違う。朝食をほとんど食べない。主食を極端に減らしている。夕方になると甘いものが欲しくなる。睡眠時間が短い。
こうした土台を見ずに、「○○を足しましょう」だけでは不十分なことがあります。だから、まず生活を見る。必要ならその次に栄養を考える。という順番を大切にしています。
Q. 鍼灸では何ができるのでしょうか?
ここは、できるだけ正確にお伝えします。
鍼刺激については、自律神経活動に関係する指標への変化が研究されています。ただし、「鍼をすれば必ず自律神経が整う」と断定できるものではありません。
当院では、「自律神経を一方的に操作する」という考え方ではなく、鍼や手技による刺激を入れ、その前後で身体の緊張、呼吸のしやすさ、身体の動き、ご本人の感覚などを確認します。
つまり、身体が活動から休息へ切り替わる「きっかけ」をつくる。その一つとして鍼灸を使います。
鍼通電も、何Hzでも同じではありません
当院では必要に応じて、鍼に微弱な電気刺激を加える鍼通電を使用します。周波数によって、身体の反応が異なる可能性が研究されています。
ただし、「低い周波数なら必ずリラックス」「高い周波数なら必ず緊張」という単純な使い方ではありません。刺激する場所、刺激量、その日の状態、目的によって使い分けます。
機械を使うこと自体が目的ではありません。その方の状態を見ながら、刺激方法を選ぶ。それが大切だと考えています。
鍼灸に「できないこと」
ここは、このシリーズの最後だからこそ、はっきりお伝えします。
| 鍼灸にできないこと | 具体的な内容と当院の考え方 |
|---|---|
| 職場や人間関係は変えられません | 仕事内容、相手の考え方、家庭環境。これらを鍼灸で変えることはできません。 |
| 睡眠や食事の代わりにはなりません | 鍼をしたから睡眠時間が短くても大丈夫、ということにはなりません。食事の代わりに栄養を補うこともできません。 |
| 医療機関の診断・検査の代わりにはなりません | 強い疲労、急な体重変化、動悸、息苦しさ、強い気分の落ち込み、眠れない状態など、医学的な確認が必要と考えられる場合には、医療機関への受診をご案内します。 |
| 一回ですべてが変わるとはお約束できません | 身体の状態、生活環境、仕事、睡眠。一人ひとり違います。だから、変化の感じ方や経過にも個人差があります。 |
だから、慧仁治療院では「三つ」を見ます
- 身体に何が残っているか:あご、首肩、こめかみ、呼吸、身体の動き。まず、今の身体を確認します。
- 戻るための時間が取れているか:眠れているか。休日に休めているか。入浴や運動など、自分に合う時間が取れているか。施術以外の時間のほうが、圧倒的に長いからです。
- 食事・生活の土台:朝食、食事量、食事間隔、睡眠、運動。必要に応じて確認します。
何か一つを原因と決めるのではなく、今、どこを変えると戻りやすいかを一緒に整理します。
目指すのは「疲れない人」ではありません
仕事をしていれば、疲れる日はあります。人と関われば、気を使うこともあります。家族のこともあります。予定が重なる日もあります。
だから、まったく消耗しない人になる必要はありません。
大切なのは、疲れても眠れる。忙しい時期が終われば戻ってくる。違ら和感が出たら早めに気づける。自分で「今、少し無理しているな」と分かる。
また戻れること。そこだと思っています。
最後に
第1部では、理解しようとしたこと。
第2部では、何も言わなくなったこと。
第3部では、自分の時間まで予定すること。
を書きました。
どれも、あなたの考え方が悪い、という話ではありません。その時々で、必要なことをしてきたのだと思います。
ただ、それを続けるのであれば、自分が戻る時間も、一日の中に残しておく。鍼灸や整体は、そのための選択肢の一つです。
鍼灸だけですべてを変えることはできません。だからこそ、できることと、できないことを分けたうえで使う。それが、このシリーズの最後にお伝えしたいことです。
当院について
慧仁治療院は、東京都足立区入谷にある鍼灸・整体院です。
施術歴20年、延べ10万1千人以上のご相談実績をもとに、認定美容鍼灸師上級マスター・YNSA正規許可施術者・ONP分子栄養学認定資格を保有する男性施術者が、お一人おひとりに丁寧にご対応させていただいております。
足立区入谷・西新井・大師前・北千住・竹ノ塚・舎人・舎人公園・江北・日暮里・草加エリアの30代・40代・50代の女性を中心に、美容鍼・小顔ケア・肩こり・頭痛・食いしばり・自律神経のお悩み・睡眠のご相談を承っております。

