電気治療は、どれも同じではありません|周波数で変わる身体の反応と「気持ちよさ」をどう見るか

ベッドに横になります。パッドを貼られて、
「では、10分電気を流しますね」

ピリピリ、トントン。悪くはありません。むしろ、少し気持ちいい。
でも終わって立ち上がってみると、「何が変わったのか、よく分からない」

次に行ったときも、同じ場所に、同じような電気を10分。
そんな経験を繰り返しているうちに、「電気治療って、おまけみたいなものなのかな」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、電気刺激はすべて同じではありません。そして、「強ければ強いほど効く」「高い周波数ほど深く効く」というものでもありません。

慧仁治療院では、身体の状態を確認しながら、刺激する場所・強さ・周波数などを使い分けています。なぜそこまで変える必要があるのでしょうか。

周波数(Hz)とは「1秒間に何回刺激するか」

電気刺激でよく出てくるのが、Hz(ヘルツ)という言葉です。簡単にいうと、刺激の繰り返し頻度を表します。
2Hzなら1秒間に2回。100Hzなら1秒間に100回。

実際に受けてみると、低い頻度では「トン、トン、トン」と筋肉が一回ずつ動くように感じ、高い頻度では「ジーッ」と細かな刺激として感じることがあります。

ここで重要なのは、同じ「電気刺激」でも、刺激頻度によって神経系の反応が同じとは限らないということです。

2Hzと100Hzでは、同じ反応とは限らない

人間の身体には、自分自身で痛みを調節する仕組みがあります。その一つが「内因性オピオイド」と呼ばれる物質です。

鍼通電に関する基礎研究では、低頻度と高頻度の刺激で、関与する内因性オピオイドが異なる可能性が報告されています。

刺激の頻度関与する可能性のある物質
2Hz程度の低頻度βエンドルフィン、エンケファリン、エンドモルフィンなど
100Hz程度の高頻度ダイノルフィンなど

※これは「2Hzなら必ず痛みが取れる」という意味ではありません。人の身体では刺激強度・部位・時間・体調など多くの条件が関わります。「何Hzなら効く」という単純な答えではなく、周波数によって神経系への入力のされ方が変わり得ると考える方が正確です。

自律神経も「5Hz=副交感神経」ではありません

ここも誤解されやすいところです。
鍼通電と精神性発汗を調べた研究では、5Hzと100Hzの刺激によって、どちらも発汗が減少したという報告があります。ただし分析すると、5Hzと100Hzでは、その反応に関わる神経機構が異なる可能性が示されています。

つまり、「5Hz=リラックス」「100Hz=興奮」と単純に分けられるわけではありません。自律神経は、交感神経を下げればよい、副交感神経を上げればよいという二択でもありません。仕事をするときには活動でき、休むときには休める、この切り替えができることが大切です。

だから当院でも、「自律神経には○Hz」と固定して使うのではなく、その日の身体の反応を確認します。

なぜ毎回設定を変えることがあるのか?

同じ方でも、毎回身体は同じではありません。
昨日はよく眠れた。今日は睡眠不足。仕事が忙しく、ずっと気を張っていた。運動した翌日で筋肉の反応が違う。食事が十分に取れていない。このように身体の状態は変化しています。

そこで、「何を目的として刺激するのか」を考えます。
痛みに対する感覚入力を狙うのか。筋肉を収縮させたいのか。過剰に緊張している筋肉へ刺激を入れるのか。鍼を介して局所的に刺激するのか。その目的によって、設定も変わります。

大切なのは、「なぜ、この設定なのか」があること。当院では、その日の身体を確認しながら判断しています。

「気持ちいい」は、意外と大切な情報

施術中、「これ、すごく気持ちいいです」と言われることがあります。反対に、「今日はいつもより刺激を強く感じる」「前回と感じ方が違う」ということもあります。
こうした本人の感覚も、施術を調整するための情報の一つです。睡眠、疲労、緊張、皮膚の状態、刺激への慣れなど、さまざまな条件で感じ方は変わるからです。

ただし、「気持ちいい=医学的に正しい設定・効いている証拠」とまでは言えません。そこは区別しています。それでも、「心地よく受けられているか」「強すぎないか」という主観的な情報は、施術を組み立てるうえで無視できません。

パッドと鍼通電は、何が違う?

皮膚に電極を貼る方法(パッド)と、鍼に電極を接続して通電する方法があります。
パッドによる刺激では、皮膚を介して神経や筋肉を刺激します。一方、鍼通電では、電極となる鍼先を狙った組織の近くへ配置できるため、刺激するポイントを局所的に設定しやすいという特徴があります。

ただし、「鍼だから必ず深く効く」「パッドでは深い場所に届かない」と単純に分けることもできません。当院では、身体の状態や目的によって使い分けています。

電気を入れても、材料は生まれない

電気刺激によって筋肉を収縮させることはできます。しかし、電気を流したからといって、筋肉をつくる材料が増えるわけではありません。

身体が回復するためには、十分なエネルギー、たんぱく質、ビタミンやミネラル、水分、睡眠なども必要です。
「施術をすると楽になる。でも、また戻る」という場合、身体への刺激だけでなく、回復できる条件(栄養や睡眠)が整っているのかを見ることもあります。
※「筋肉が硬いからマグネシウム不足」と症状だけで決めつけることはせず、食事内容や生活状況を確認しながら考えていきます。

目指すのは「痛くない」だけではありません

年齢を重ねても、仕事ができる。歩ける。好きなことができる。疲れても回復できる。このような身体機能を長く保つことが重要です。そのためには、刺激だけでも、栄養だけでも足りません。

  • 電気刺激:身体への入力
  • 栄養:身体をつくる材料
  • 睡眠:回復する時間
  • 運動:身体の使い方を学習する時間

だから慧仁治療院では、必要なものをすべて同じ人に行うのではなく、その方に今、何が必要なのかを考えています。

安全に受けていただくために(大切なお願い)

以下に該当する方は、通電を避けたり、施術方法を変更したりする必要があります。

  • 植込み型ペースメーカーなどの電子機器を使用している方
  • 心疾患・不整脈がある方
  • 妊娠中の方
  • 皮膚に傷や炎症がある方、感覚が大きく低下している部位がある方

※金属製の人工関節などが入っていることだけを理由に、すべての電気刺激が一律に禁止されるわけではありません。機器や部位によって判断が異なるため事前にお知らせください。

また、突然生じた強い痛みや麻痺、力が入らない、胸痛、発熱などがある場合には、施術より先に医療機関での評価が必要です。当院は医師による診断を行う医療機関ではありません。安全性を優先したうえで施術方法を選択しています。

電気は「おまけ」ではない。でも、電気だけでもない

慧仁治療院が見ているのは、「何Hzを流したか」ではなく、その刺激を入れた結果、身体がどう反応したのか。そして、なぜ同じ負担を繰り返しているのか。ということです。

「電気はどれも同じ」と思っていた方にこそ、知っていただきたい考え方です。大切なのは、「強い刺激を受けたか」ではなく、「自分の身体に、なぜその刺激が必要なのか」だと考えています。

当院について

慧仁治療院は、東京都足立区入谷にある鍼灸・整体院です。

施術歴20年、延べ10万1千人以上のご相談実績をもとに、認定美容鍼灸師上級マスター・YNSA正規許可施術者・ONP分子栄養学認定資格を保有する男性施術者が、お一人おひとりに丁寧にご対応させていただいております。

足立区入谷・西新井・大師前・北千住・竹ノ塚・舎人・舎人公園・江北・日暮里・草加エリアの30代・40代・50代の女性を中心に、美容鍼・小顔ケア・肩こり・頭痛・食いしばり・自律神経のお悩み・睡眠のご相談を承っております。

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