いつの間にか、言わなくなっていました。
以前は伝えていました。何度も。言い方を変えて。記録も残して。相手の状況も考えて。
それが、ある時期から止まりました。明確に決めたわけではありません。宣言もしていません。
ただ、ある日ふと、「もういいか」と思った。それだけです。
今は必要なことだけを伝えます。本当は一言言いたいときもあります。でも、言えばまた説明が必要になる。話が長くなる。そのあと自分も疲れる。
だから、「大丈夫です」とだけ返す。そして仕事に戻る。
以前より、ずっと楽になりました。帰宅してから考えることも減った。苛立つ回数も減った。周りから見れば、以前より落ち着いているかもしれません。
それなのに、身体は思ったほど軽くなっていません。
「もう気にしていないはずなのに」残る疲労
朝、起きても重い。仕事が終わるころには肩が上がっている。何となくあごに力が入っている。夜、ソファに座ったら何もしたくない。休日なのに、午前中はぼんやりして終わる。
「もう、あのことは気にしていない」
それは本当なのだと思います。では、なぜ身体には残っているのでしょうか。
Q. 楽になったはずなのに、なぜ疲れるのでしょうか?
一つ考えられるのが、「反応しないための努力」が残っていることです。
以前は、伝えるために力を使っていました。今は、言わない。余計に反応しない。必要なことだけ伝える。そのために力を使っている可能性があります。
本当は一言言いたい。でも、飲み込む。表情に出そうになる。でも、そのまま仕事を続ける。
つまり、「伝えるための努力」が「反応しないための努力」に変わったのです。
方向は変わっても、身体がすぐに緩むとは限りません。
「静かな緊張」という考え方
これは医学的な診断名ではありません。ここでは、外から見ると落ち着いているのに、身体には力が残っている状態を便宜上「静かな緊張」と呼びます。
怒っているときは、自分でも分かります。でも、何も言わなくなったあとには、本人自身も「もうストレスはありません」と感じていることがあります。
それでも、あご、首肩、呼吸、睡眠などを確認すると、別の問題が見つかることがあります。
もちろん、「言いたいことを我慢したから、あごが硬くなった」と単純に言うことはできません。仕事姿勢、スマートフォン、眼精疲労、睡眠、食いしばり、運動量など、いくつもの要因があります。
だからこそ、感情だけで身体を説明しないことが大切です。
Q. 感情が減ったように感じます
ここは慎重に考えます。
「怒らなくなった」ことと、「負担がなくなった」ことは、同じではありません。
以前なら気になったことも、今は「まあいいか」で終わる。以前なら楽しみにしていた予定も、「行けば楽しいけど、準備するのが面倒」と感じる。休日になっても、特に何をしたいか思いつかない。そんな変化が続く方もいます。
感情を表に出さない状態が続くと、苛立ちだけでなく、嬉しい、楽しい、といった反応まで小さく感じる方もいます。
ただし、これは「大人になっただけ」という場合もありますし、一時的な疲労のこともあります。
大切なのは、急に変わったか。長く続いているか。生活に支障があるか。です。
※気分の落ち込み、何をしても楽しめない状態、不眠、食欲の大きな変化などが続く場合や、生活に支障がある場合には、まず医療機関へご相談ください。
Q. 「もういい」と思ったのは間違いだったのでしょうか?
その良し悪しを、無理に決めなくてよいと思います。
理解しようとすることを減らしたことで、少し楽になった。それも事実です。人間関係には、自分だけでは変えられない部分があります。すべてに答えを出す必要はありません。
ただし、「もう気にしていないから、身体も大丈夫」と決めつけないことは大切です。
- 気持ちは落ち着いた。でも睡眠は浅い。
- 苛立ちは減った。でも朝の疲れは残っている。
- 考えなくなった。でも食いしばりは続いている。
そんな場合には、心理的な問題をもう一度掘り返すより、「今、身体に何が残っているのか」を確認したほうがよいことがあります。
自分で確認できる「静かな緊張」3つのサイン
| 確認ポイント | 具体的な状態 |
|---|---|
| 1. 今、奥歯は触れていませんか | パソコンを見ているとき。スマホを見ているとき。電車の中。料理をしているとき。上下の歯がずっと触れていないか、時々確認してみてください。 |
| 2. 息を吐けていますか | 仕事中、気づくと息を止めていた。そんな方もいます。深呼吸を頑張る必要はありません。まず、息をゆっくり吐けるかを確認するだけでも構いません。 |
| 3. 休日に、何も予定がなくても休めますか | せっかくの休みだから、掃除をしよう、買い物に行こう、来週の準備もしておこう。気づけば、休みの日まで「やること」で埋まっている。そうなっていないでしょうか。 |
慧仁治療院(足立区入谷)が見ること
「ストレスがありますか」と聞くだけでは分からないことがあります。
「特にありません」と答えていても、眠れているか。あごや首肩に力が残っていないか。朝の疲れはどうか。休日に休めているか。食事や生活リズムはどうか。一つずつ確認すると、別の情報が見えてくることがあります。
本人の感覚も大切にしながら、身体に実際に何が残っているのかを見る。そこを大切にしています。
【次回予告】第3部へ
「相手を変える」ことを手放した。「なぜ」と考える時間も減った。それでも、仕事そのものは明日も続きます。
では、続けると決めた人が、使った分をどう戻すのか。
第3部では、「あなたが一日休んだら、その仕事は止まりますか」という問いから、自分のメンテナンスについて考えます。
当院について
慧仁治療院は、東京都足立区入谷にある鍼灸・整体院です。
施術歴20年、延べ10万1千人以上のご相談実績をもとに、認定美容鍼灸師上級マスター・YNSA正規許可施術者・ONP分子栄養学認定資格を保有する男性施術者が、お一人おひとりに丁寧にご対応させていただいております。
足立区入谷・西新井・大師前・北千住・竹ノ塚・舎人・舎人公園・江北・日暮里・草加エリアの30代・40代・50代の女性を中心に、美容鍼・小顔ケア・肩こり・頭痛・食いしばり・自律神経のお悩み・睡眠のご相談を承っております。

