「スマホを見ているときだけ、噛んでいる気がするんです」

そうおっしゃった方がいました。ご自身では、そう確信されていました。
実際、スマートフォンを見ているときに、はっと気づいて力を抜く。何度もそうしてきた。だから、そこが原因だと考えるのは自然なことです。

ところが、詳しく確認していくと、そこは引き金の一つでしかありませんでした。
ご本人がまったく意識していなかった場面のほうが、はるかに長く続いていたのです。

なぜ、こういう思い込みが起きるのか?

無意識は、記録に残らないからです。

考えてみてください。あなたが「噛んでいた」と覚えているのは、気づいた瞬間だけです。はっとして、力を抜く。あ、また噛んでいた、と思う。この瞬間だけが記憶に残ります。

では、気づかなかった時間はどうなっているでしょうか。記録されていません。存在しなかったことになっています。

つまり、私たちが「自分の癖はこれだ」と思っているものは、気づけた場面だけを集めた、偏った記録です。しかも、気づきやすい場面には特徴があります。

手が空いていて、静かで、視線が一点に集中している場面。スマートフォンを見ているときは、まさにそれに当てはまります。

逆に、忙しく動いているとき、人と話しているとき、集中しているとき。これらの場面では、自分の顎に注意を向ける余裕がありません。いちばん噛んでいる可能性が高いのに、いちばん記録が残らないのです。

Q. では、本当の引き金はどこにあるのですか?

一つではありません。ここが重要な点です。

当院でこれまで確認してきたなかで、背景として繰り返し出てくるものがあります。

  • 体のどこかに、痛みや重さを抱えている:腰でも肩でも膝でも構いません。痛みを我慢して動くとき、人は踏ん張ります。踏ん張る動作には、噛みしめが伴います。立ち上がるたび、階段を上るたびに繰り返されます。
  • 首や肩が固まっている:あごを動かす筋肉は、首から肩へつながる筋肉と連動しています。片方が固まれば、もう片方も影響を受けます。
  • 姿勢の癖が、片側に固定されている:足を組む向き、荷物を持つ側、画面の位置。骨盤が傾けば、その上の背骨、肩、首、そしてあごの位置まで、順に調整が入ります。
  • 目を使いすぎている:目の周り、額、こめかみ、あご。この四つは隣り合っています。一つが硬くなれば、隣に影響します。
  • 材料が足りていない:体が落ち着かない状態にあるとき、力はあごに集まりやすくなります。忙しい時期や暑い時期は、同じ食事でも出ていく量が変わります。
  • 気を張り続けている:これがいちばん自覚されにくい部分です。誰かの様子に気を配る、次に必要なことを予測する。これらはすべて、体の中で処理が走っています。

Q. 原因を「一つ」に決めると、どうなりますか?

そこだけを対処して、変わらないという結果になります。

「スマホが原因だ」と考えた方は、スマホを見る時間を減らそうとします。それ自体は悪いことではありません。ただ、他の引き金がそのままであれば、噛みしめは続きます。そして、こう結論づけます。

「対策しても効かなかった」「自分は治らないのかもしれない」

違います。対策が足りなかったのではなく、対策する場所が一つだけだったということです。

マウスピースを使っても朝のあごが変わらない、マッサージが三日しかもたない、意識して力を抜いても翌日には戻っている。——これらは、同じ構造から起きています。

Q. 自分で確認する方法はありますか?

記憶に頼らず、記録を取ることです。
一週間、次のことをメモしてみてください。難しく考える必要はありません。

  1. 気づいた時刻を、数字だけ書く:「14:30」「16:10」のように、時刻だけで構いません。一週間分並べると、時間帯の傾向が見えます。夕方に集中していれば、疲労や食事の間隔が関わっている可能性があります。
  2. そのとき、体のどこかが痛くなかったかを思い出す:腰、肩、首、目。何かを我慢していた瞬間ではなかったか。
  3. 朝起きたときの状態を記録する:あごの重さ、こめかみの張り、頬の内側の跡。夜間に起きていることは、これでしか分かりません。
  4. 前日に何をしていたかを、一行だけ書く:食事の内容でも、仕事の忙しさでも構いません。

一週間で、たいていの方が自分でも意外なパターンに気づかれます。

Q. 慧仁治療院では、どのように確認するのですか?

言葉で伺うだけでは、届かない部分があるためです。

ご本人が自覚している場面と、体に出ている状態が一致しないことが、しばしばあります。これは記憶違いでも、嘘でもありません。無意識だから、そもそも本人にも分からないというだけです。

そのため当院では、伺う内容と、実際に体を確認して分かることの両方を突き合わせます。
顎まわりの左右差。首や肩の固まり方。骨盤の傾き。お腹の状態。頬の内側の跡。これらは、ご本人の申告とは独立した情報です。

そして、一致しない部分にこそ、見落とされていたものがあります。

「原因が分かっている」と思っている段階が、いちばん動きにくい

体は、続いている状態を「標準」として覚えていきます。

そして厄介なのは、「原因はこれだ」という思い込みも、一緒に固定されることです。原因を決めてしまうと、そこ以外を確認しなくなります。対策しても変わらなければ、「自分は変わらない体質だ」という結論に進みます。

変わらないのは体質ではなく、見ていない場所が残っているからかもしれません。そして、確認するのは早いほど簡単です。引き金が少ないうちのほうが、絞り込みやすくなります。

当院で見ること(3つのポイント)

  • 1. あごと、その隣り合う場所:こめかみ、目の周り、首。どこから来ているかを分けて確認します。
  • 2. 全身の偏り:肩の高さ、骨盤の傾き、左右差。上だけを見ても戻ります。
  • 3. 栄養と休息の土台:何が足りないかだけでなく、「何が余分に使われているか」から考えます。

この三つは影響し合っているため、どれか一つだけでは戻ってしまいます。当院では全身の繋がりから根本原因を整えます。

よくあるご質問(FAQ)

Q. 歯科に通いながらでも受けられますか?
A. はい。治療を続けながらご相談ください。当院から治療内容の変更をおすすめすることはありません。

Q. 顎の痛みが強い、口が開けにくい場合は?
A. まず医療機関を受診してください。当院は医療機関ではなく、診断はできません。

Q. 鍼は痛いですか?
A. 「ほとんど分からない」「少し響く感じ」と表現される方が多いです。感じ方には個人差がありますので、施術中に確認しながら調整します。

Q. どのくらいの間隔で通いますか?
A. 状態によって異なります。戻りやすい時期は間隔を詰め、落ち着いてきたら空けていきます。初回に丁寧にご説明します。

当院について

慧仁治療院は、東京都足立区入谷にある鍼灸・整体院です。

施術歴20年、延べ10万1千人以上のご相談実績をもとに、認定美容鍼灸師上級マスター・YNSA正規許可施術者・ONP分子栄養学認定資格を保有する男性施術者が、お一人おひとりに丁寧にご対応させていただいております。

足立区入谷・西新井・大師前・北千住・竹ノ塚・舎人・舎人公園・江北・日暮里・草加エリアの30代・40代・50代の女性を中心に、美容鍼・小顔ケア・肩こり・頭痛・食いしばり・自律神経のお悩み・睡眠のご相談を承っております。

▶ ご予約・ご相談はこちら