午後がまるごと使いものにならない|血糖の乱高下・自律神経・食いしばりの関係

午後2時を過ぎたあたりです。


画面の文字が、頭に入らなくなります。同じ行を三回読んでいるのに、内容が残っていない。眠いというより、頭の回転が一段遅くなったような感じです。

コーヒーを飲みます。少し戻った気がします。でも、長くは続きません。


そして午後4時頃。急に甘いものが欲しくなります。チョコレートを一つ。もう一つ。夕方になると、なぜかイライラしている。

帰り道に、「今日、何をしていたんだろう」と思う。こんな経験はありませんか。

  • 「寝不足だから」
  • 「年齢かな」
  • 「集中力がなくなった」
  • 「自分の意志が弱いから」

そう考えている方もいるかもしれません。
もちろん、午後の眠気や集中力低下には睡眠不足、ストレス、ホルモン変化、食事量などさまざまな原因があります。
その中で、ひとつ確認しておきたいのが、血糖値の変動と自律神経の関係です。

血糖が下がると、身体は何をするのか

ここは医学的によく分かっている部分です。
血糖値が低下すると、身体は脳などに必要なエネルギーを確保するため、血糖を戻そうとします。そこで働くのが、グルカゴン、アドレナリン、ノルアドレナリン、コルチゾール、成長ホルモンなどです。

身体の反応(交感神経・副腎系)脳へのエネルギー不足による反応
動悸、発汗、手の震え、強い空腹感、不安感、落ち着かない、イライラする頭がぼんやりする、集中できない、眠気、めまい、判断力低下

言い換えるなら、「エネルギーが足りないかもしれない」と身体が警報を鳴らしている状態です。

ただし重要なのは、「午後に眠い=低血糖」ではありません。症状だけから血糖値を推測することはできません。

なぜ昼食後に調子を崩す人がいるのか

食事をすれば血糖値が上がります。これは悪いことではなく、正常な生理反応です。「血糖値を上げてはいけない」「血糖スパイクを完全になくす」と考える必要もありません。

ただ、食事内容やその人の糖代謝によっては、食後の変動幅が大きくなる場合があります。

昼食が、菓子パンだけ、おにぎりだけ、麺だけ、サンドイッチだけ、といった形になっている方も少なくありません。「午後眠くなるから昼を軽くしよう」とした結果、さらに食事の内容が偏っているケースもあります。

そしてもう一つ興味深いのが、オレキシンです。
オレキシンは脳で覚醒を維持することに関わる神経ペプチドです。基礎研究では、ブドウ糖濃度の変化によってオレキシン神経の活動が抑えられることが示されています。

ただし、人の「食後の眠気」がオレキシンだけで起こるわけではありません。睡眠不足、副交感神経、食事量、体内時計など複数の要因が関係しています。

つまり、「昼食後に眠いから血糖スパイクだ」と決めつけるのではなく、食事と睡眠、その後の身体の反応を一緒に見ていくことが大切です。

食いしばりとはどうつながるのでしょうか?

ここが今回お伝えしたいところです。
睡眠中の歯ぎしり・食いしばりでは、RMMA(律動性咀嚼筋活動)と呼ばれる顎の筋活動が知られています。研究では、RMMAが起こる前に、次のような一連の変化がみられることが分かっています。

【自律神経活動の変化】

【脳の微小覚醒】

【心拍数の上昇】

【顎周囲の筋活動(食いしばり)】

つまり睡眠時の食いしばりは、顎だけで突然起こっている現象ではありません。脳や睡眠、自律神経と関係しています。だから、「咬筋が硬いから揉む」だけでは説明できない方がいるわけです。

では、血糖が低下する→交感神経系が反応する→覚醒が起こる→食いしばる、ということなのでしょうか。仕組みとして考えることはできます。ただし、ここには一本線を引いておかなければなりません。
血糖値の変動が睡眠時の食いしばりを直接引き起こすことは、まだ十分に証明されていません。現時点では研究段階です。したがって、「食いしばりの原因は低血糖です」とは言えません。

一方で、食いしばりが続く方をみるときに、顎・首肩・ストレスだけでなく、睡眠、食生活、夜間覚醒、夕方の強い空腹感、栄養状態まで確認する意味はあると考えています。

もう一つ知ってほしい「糖化」の視点

抗加齢医学では、血糖を考えるときに糖化という視点もあります。

糖とたんぱく質などが非酵素的に反応し、最終的にAGEs(終末糖化産物)と呼ばれる物質が作られます。よく「ホットケーキがこんがり焼ける反応」に例えられます。

皮膚では、AGEsがコラーゲンやエラスチンなどに蓄積し、硬さや弾力などに影響する可能性が研究されています。しわ、たるみ、黄ばみなどとの関連も報告されています。

ただし、「糖化を防げば若返る」というほど単純ではありません。皮膚の老化には紫外線、加齢、喫煙、睡眠、ホルモン、酸化ストレスなど多くの要因があります。糖化も、その中の一つとして考えるのが適切です。

何をすればいいのでしょうか(食事の工夫)

血糖が気になると、「ご飯を抜こう」と考える方がいます。しかし、極端な糖質制限をする必要はありません。むしろ、減らすことより、食べ方を整えることが大切です。

  • ① 野菜・たんぱく質を先に食べる:炭水化物より先に食べることで、食後血糖の上昇が抑えられたという研究があります。(※健康な方に同じ程度の効果が出るとは限りません)
  • ② 炭水化物だけで食事を終わらせない:おにぎりだけ、パンだけではなく、肉・魚・卵・大豆製品・野菜などを組み合わせます。
  • ③ 食後に少し歩く:食後の軽い歩行が食後血糖に良い影響を与えるという報告があります。激しい運動ではなく、座りっぱなしにしないことが大切です。
  • ④ 酢を食事に取り入れる:酢を摂取した食事で食後血糖・インスリン反応が小さくなったという報告もあります。普段の食事の範囲で考えれば十分です。
  • ⑤ 主食を抜くより質を考える:白米だけでなく、玄米や雑穀などを選ぶ方法もあります。

大切なのは「糖質は悪」と考えることではありません。たんぱく質・脂質・炭水化物を含めた食事全体を見ることです。

「副腎疲労」で片づけない

朝起きられない。疲れる。甘いものが欲しい。
こうした症状を「副腎疲労」と説明する情報があります。しかし現在、副腎疲労は標準医学で確立した病名ではありません。

症状が嘘という意味ではありません。大切なのは、睡眠不足なのか、栄養不足なのか、貧血なのか、糖代謝なのか、ホルモンなのか、ストレスなのかを整理することです。ひとつの言葉ですべてを説明しないことが重要だと考えています。

※このような場合は、まず医療機関へ

強い混乱、ろれつが回らない、けいれん、失神、意識がもうろうとする、といった症状がある場合。
また、空腹時・明け方・食事を抜いたときにも症状が出る場合や、原因不明の体重変化がある場合は、内科・糖尿病内科・内分泌内科などへご相談ください。

※当院では血糖異常の診断・治療はできません。本記事は一般的な医学・栄養学の情報をご紹介するもので、診断を目的とするものではありません。

午後の自分を責める前に

午後になると何も進まない。夕方にはイライラする。甘いものが止まらない。朝起きると顎が疲れている。

もしこうしたことが重なっているなら、「自分の意志が弱い」と決めつける前に、身体で何が起きているのかを一度整理してみてもよいかもしれません。

慧仁治療院では食いしばりや身体の緊張を、顎だけの問題として考えません。
首肩の緊張、呼吸、睡眠、生活習慣、食事や栄養状態なども含めて確認します。症状がある場所だけではなく、「なぜ今、この身体になっているのか」そこまで一緒に考えていくことを大切にしています。


当院について

慧仁治療院は、東京都足立区入谷にある鍼灸・整体院です。

施術歴20年、延べ10万1千人以上のご相談実績をもとに、認定美容鍼灸師上級マスター・YNSA正規許可施術者・ONP分子栄養学認定資格を保有する男性施術者が、お一人おひとりに丁寧にご対応させていただいております。

足立区入谷・西新井・大師前・北千住・竹ノ塚・舎人・舎人公園・江北・日暮里・草加エリアの30代・40代・50代の女性を中心に、美容鍼・小顔ケア・肩こり・頭痛・食いしばり・自律神経のお悩み・睡眠のご相談を承っております。

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